お遍路最終日。
鶴林寺に登り、その後太龍寺にまた登り、その後舎心ヶ嶽に登りました。
舎心ヶ嶽はお大師さんと空中に立っている感覚に陥り、感動しました。
舎心ヶ嶽からまた太龍寺に戻ると、2日前にお会いした女性がいました。
お互い再会を喜んで、少しお話ししました。
彼女はこの次の第22番平等寺まで歩くかどうか悩んでいました。今日が最終日との事です。
私は平等寺には行かずに徳島に戻る予定でした。
その時14時でしたので、健脚でも3時間かかる平等への道は危険だと思いました。
その事を告げると、
「やはりそうですよね。不安だったのでやめておきます」
と辞める事になりました。
しかし、まだ少し時間があるので彼女も舎心ヶ嶽に行く事になりました。
私は太龍寺で彼女が戻るのを待って、その後一緒にケーブルカーで山を下り、バスで阿南というところまで行きました。
この阿南ですが、私の予定には完全に阿南はありませんでした。
しかし、昨夜寝付けなくて、なぜか阿南経由で徳島に戻る方法を検索しておこう、と思いつき調べていました。
ですのでバスの時間も頭に入っており、彼女とすんなりと阿南に行けました。
徳島は東京と違って、バスは1時間に1本あるかないかなので、バスの時間がピッタリなのは何かのお導きかと思いました。
バスの中では彼女とたくさん話をして、本当に自分と似ているなあ、と思いました。
自分にそっくりな人は日本のどこかにいるのだな、と思いました。
阿南に到着して、別れる事になりました。
私は、彼女と連絡先を交換したい気分になりました。
彼女もそう思っていたと思います。
でも、交換せずに別れました。
それどころか名前もわかりません。
熊本に住んでいるという事しかわかりません。
こちらに戻ってきて、彼女の事を何回も思い出します。
交換をしなかった事を後悔しています。
来年、またお遍路に行く時に会う可能性は極めて低いです。
でもいつか、会えたらいいなと思いました。
忘れられない人に出会えて幸せです。
お大師さんありがとうございました。