仏教と占星術

仏教、占星術、アロマ、その他いろいろ私の好きなこと。

女一人お遍路_お大師さんに助けられて②

同行二人の旅でお大師さんに助けられたことの二つ目です。
第十二番 焼山寺への登山をしているときの事です。
遍路道には、お遍路シールが要所で貼られており、迷子にならないよう配慮してくださっています。
焼山寺への登山道にも、ところどころにシールがありそれを見ながら登っていきました。
3時間くらい上ったところで、道が行き止まりになっていました。
右を見ると、新しい岩場があります。
この新しい岩場を登っていくのだろうと思いました。
それにしてもかなり急な岩場で、普通はロープや鎖があるのに、その新しい岩場には何もありませんでした。
何とか岩をよじ登り続け、15分くらいたったところで岩にしがみつきながら少し休みました。
お遍路シールはまだ出てこないな、と思っていました。
その時、「立たなければいけない」と突然思いました。
しがみついていた岩から手を放し、恐る恐る立ってみました。
立つと視界が広がり、自分が登ってきた岩場が見えました。
「!」
「この道は間違っているかも!」
と思いました。
その理由はさっき行き止まりになっていた場所が高いところから見るとその先に遍路道のようなものが見えるのです。
「でもこの道(岩場)が新しい道かもしれない」
という考えもよぎります。
その場で携帯を取り出しヤマップ(山のアプリ)やグーグルマップで確認しました。
でもよくわかりません。人は誰もいません。
ここで心細くなって「私はどうすればいいですか?」とお大師さんに聞きました。
お大師さんに聞いた直後、というか瞬間に、以前ヤマップの記事で読んだ遭難した人の体験談を思い出しました。
その人は、「あれおかしいかも」と思ったら引き返さなければならない、と言っていました。
しかし人は、それまで歩いた分がもったいなくて、「この方向で行けば合流するはずだ」という気持ちが湧いてくるそうです。
その気持ちを投げ捨てて、「何が何でも引き返さなければならない」と言っていました。
その記事が、お大師さんにお尋ねした瞬間に思いだされ、私は即座に引き返しました。
そして、最初の行き止まりの場所に到着して、深呼吸をしました。
この場をもっと確認するべきだと思い、周りを歩いてみました。
すると行き止まりの大きな岩の横に細いけものみちのようなものが見えました。
このけもの道は少し下になっているので、パッと見たところ崖で歩けるわけがないと思ってしまいました。
そしてこのけもの道をおそるおそる歩いていると、いつもの見慣れた遍路道になりました。
おそらく、がけ崩れが起こって、迂回路を作ってくれていたのだと思います。
私はその迂回路に気が付かず、崩れてきた崖の岩をよじ登っていたのでした。
「お大師さん、私を導いてくれてありがとうございます」
と、思わず合掌しました。
本当に怖い体験でした。